日本臨床内科医会は後期高齢者医療制度の見直しについて意思表明を行いました。

―決議文―

日本臨床内科医会は、第一線の地域医療を担う医師集団の立場から、永年に亘って築き上げてきた患者と医師の信頼関係を崩壊させ、ひいては医療現場を無視した地域医療の崩壊をもたらす平成20年度診療報酬改定に対して、理事会・代議員会において以下の決議をおこなうものである。

1、 後期高齢者診療報酬体系の見直し
 後期高齢者の外来での医学管理を評価する「後期高齢者診療料」は「1人の患者の主病を診る1医療機関が算定」との要件があり、病態が変化することの多い高齢患者にとって最良の医療選択の余地をなくす医学管理料である。 さらに、複数の疾患を合併している高齢者にとっては、専門性の異なる複数の主治医が連携して治療にあたる体制が好ましく、疾患名が異なる場合は複数の医療機関でも算定可能と、要件を変更すべきである。

2、 外来管理加算の時間要件撤廃
厚生労働省の通知では、再診料の外来管理加算要件について、「医師が実際におおむね5分を超えて直接診察を超えて直接診察を行っている場合に算定できる。」この場合「診察を行っている時間とは、患者が診察室に入室した時点より診察終了時間までとし、その間一貫して医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合の時間に限る。」としている。   
以上のように、新要件では終始医師が診察・診療をした結果の「5分」を要すると規定しているが、外来診療は医師単独で行っている場合は少なく、むしろ医師と看護師等を中心とするチーム医療で成り立っている場合が多い。 従って、今次の「5分要件」は医療機関が努力して作り上げてきた チーム医療の否定に繋がる要件であることは明白であり、外来管理加算の算定要件「5分の時間要件」は、撤廃すべきである。 

以上の項目に付き理事会・代議員会において決議するものである。

平成20年4月13日 日本臨床内科医会