全国の会員の先生方へ

全国の会員の先生方へ

日本臨床内科医会
会長 望月紘一

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により、4月12日(日)に予定しておりました第37回日本臨床内科医会総会は、会員の先生方にお集まりいただくことが出来なくなりました。従いまして、第74回理事会、第63回代議員会の議事につきましては、書面で議案を提示し、書面での表決書を集めて議決とする方法とさせていただいております。4月11日(土)にはそれらを集計し、その結果をあらためて全国の会員の先生方に提示し、総会の議決とさせていただく予定です。

総会の際に予定しておりました特別講演2題につきましては、演者の先生のご了解を得て、ご講演を録画し、DVDとして配付する方法を検討しております。

これまで周到にご準備して下さった東京内科医会会長(第37回日本臨床内科医会総会会頭)の清水惠一郎先生には、この様な変更につきまして御検討・御了解をいただきました。厚く御礼申し上げます。

さて、現在(3月末日)、東京では感染の急激な拡大の可能性が大きくなっており、不要不急の外出の自粛が強く求められています。

この時期にあたって、我々がかかりつけ医としてなすべきことは、基本的には先ず、御自分と御自身の医療機関を守りながら、地域の皆様に出来る範囲で貢献してゆくことであります。行政は、疑いがあったら保健所や相談センター等に電話をして指示を受けてくださいとしておりますが、実際はそのような患者さんは先ず我々の診療所を訪れることが多いと思います。我々としては、できる範囲で防御策(サージカルマスク、手袋、ゴーグル、ガウン等)をしながら、患者さん1人1人の病状に応じた適切な指示をしなければなりません。

この様な新型の病原体の流行は、住民の一定割合が免疫を獲得し終わるまで、なかなか収束しないといわれています。その意味から一日も早いワクチンの開発が望まれます。また、数年前に日臨内も協力して知見を行った抗インフルエンザ薬のアビガンが治療薬として有効であることが早く確認されれば良いと思っています。

感染の拡大に伴う病院医療の崩壊が危惧されていますが、このCOVID-19では、我々のような第一線の医療機関もしっかり防御しなければ医療が継続できなくなるという医療崩壊を招きかねないという特徴があると思います。東京オリンピック、パラリンピック2020が一年程延期されましたが、先ず我々としては、それまでは何とか無事に自分も従業員も診療所も生き延びていきましょうという基本的な考え方で頑張っていただきたいと思います。

COVID-19の流行を受けまして、今後、外来診療のあり方、大きな会議の開催方法、学会の運営方法等々、ICTを利用した方法がより重視されるようになってゆくと予想されます。日本臨床内科医会としても、保険診療での問題を初め適切に対応してゆく必要があると思います。

9月に予定しております福島県での第34回日本臨床内科医学会につきましても、無事開催できるか油断できない状態ですが、現時点では、予定通り行えるものとして準備していただいているものと思います。

会員の先生方には、皆様お元気で、秋に福島でお会いできることを心より願っております。

令和2年3月末日